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わかった!と言わせる映像づくりのために

更新日:6 時間前

昨今のショート動画の流行をみると、「わかりやすい」と「短い」を同一視しているかも知れないと危惧しています。B2CのためのWEBマーケティングならば効果があるかも知れません。しかし、B2Bのビジネスにおいて、商品やサービスの特徴、メリット、あるいはそのブランド性についてわかってもらおうとする時、その背景は単純なものではなく、むしろ論理的な説明が必要な場合が多いものです。



短さに固執しないで十分に説明を


B2Bのビジネス映像コンテンツはWebマーケティングには向きません。ターゲットの分母の数が断然少ないからです。

逆にターゲットは、多くの場合どこにいるのかわかっています。それはWEB上ではなく、リアルな場所です。そんなターゲットに対して映像コンテンツで訴求するのであれば、直接、人的な営業活動や展示会などの場で届けた方が効率的です。そして、せっかく直接届ける映像なのですから、ショート動画にする必要はありません。

なによりも確実に、「わかってもらう」ことが重要だからです。


わかった!


「わかったと言わせる映像づくり」


PR映像制作においてこれを実現するためには、視聴者の認知プロセスを深く理解し、そのプロセスに沿った十分な情報と綿密な映像設計が不可欠です。

具体的な映像制作のポイントを説明します。



1. 概念の構成要素の視覚的分解と提示


PR映像で伝えたい概念やメッセージを、視聴者が理解しやすいように視覚的に分解し、提示することが重要です。例えば、新商品のPR映像であれば、商品の機能、デザイン、使用シーンなどの構成要素を、個別のカットやアニメーションで明確に示します。テロップやナレーションを効果的に活用し、各要素の名称や特徴を補足することで、視聴者の理解を促進します。



2. 構成要素間の関係性をストーリーで構築


分解した構成要素を単に羅列するのではなく、それらの関係性をストーリーとして構築し、映像で表現します。例えば、新商品の開発ストーリーをドキュメンタリータッチで描くことで、各機能がどのように開発され、連携しているのかを視覚的に理解させます。また、商品の使用シーンをドラマ仕立てで表現することで、各機能が日常生活の中でどのように役立つのかを具体的に示します。



3. 視聴者の既存の知識との接続


視聴者が既に持っている知識や経験と、PR映像で伝えたい概念やメッセージを接続することで、共感を生み出し、理解を促進します。例えば、環境問題に取り組む企業のPR映像であれば、視聴者が日常的に目にする環境破壊の映像や、環境保護活動の映像を挿入することで、問題意識を共有し、企業の取り組みへの理解を深めます。



4. 具体的な使用シーンや事例の提示


抽象的な概念やメッセージを、具体的な使用シーンや事例を通して提示することで、視聴者の理解を深め、共感を喚起します。例えば、新商品のPR映像であれば、様々なユーザーが実際に商品を使用しているシーンを映し出すことで、商品の具体的な使用方法やメリットを視覚的に伝えます。また、商品の開発ストーリーをドキュメンタリータッチで描くことで、開発者の情熱や苦労を伝え、視聴者の共感を呼び起こします。



5. 視聴者の思考を促す映像表現


PR映像に思考実験的な要素を取り入れることで、視聴者の思考を促し、概念やメッセージへの理解を深めます。例えば、未来の社会を描いたPR映像であれば、「もし〇〇が実現したら、私たちの生活はどう変わるのか?」といった問いかけを映像内に盛り込むことで、視聴者に未来の社会を想像させ、企業のビジョンへの理解を深めます。



6. 多様な視点からの映像表現


PR映像に多様な視点を取り入れることで、視聴者に多角的な理解を促します。例えば、地域活性化を目的としたPR映像であれば、地域の住民、観光客、企業など、様々な立場の人々の声や映像を盛り込むことで、地域の魅力を多面的に伝えます。また、歴史的な視点を取り入れることで、地域の文化や歴史的背景への理解を深めます。



7. 視聴者のメタ認知を促す映像構成


PR映像の構成を工夫することで、視聴者のメタ認知を促し、理解度を高めます。例えば、映像の最後に、視聴者が映像の内容を振り返り、自分の理解度を確認できるようなクイズや質問を設けることで、視聴者の理解を促進します。また、映像内で重要なキーワードやメッセージを繰り返し提示することで、視聴者の記憶に残りやすくします。



8. 感情的な共鳴を呼び起こす映像表現


PR映像に感情的な要素を取り入れることで、視聴者の共感を呼び起こし、記憶に残る映像にします。例えば、感動的な音楽や映像を使用したり、共感を呼ぶストーリーを語ることで、視聴者の感情に訴えかけます。また、ユーモアやサプライズを取り入れることで、視聴者の興味を引きつけ、記憶に残る映像にします。



9. 直感的な理解を促す映像表現


映像、音楽、色彩、テンポなど、映像表現のあらゆる要素を駆使して、視聴者の直感的な理解を促します。例えば、商品の魅力を直感的に伝えるために、美しい映像や音楽を使用したり、商品の使用シーンをテンポよく編集したりします。また、色彩やグラフィックを効果的に使用することで、視聴者の感情に訴えかけ、記憶に残る映像にします。



10. 視聴者とのコミュニケーションを促進する映像設計


PR映像を視聴者とのコミュニケーションのきっかけとして活用し、理解を深めます。例えば、映像の最後に、視聴者が意見や感想を共有できるようなウェブサイトやSNSへのリンクを掲載したり、視聴者参加型のイベントを告知したりします。また、視聴者からの質問や意見に積極的に回答することで、視聴者との信頼関係を構築し、理解を深めます。




「わかった」は、アクションにつながる理解


1〜10を網羅する必要はなく、目的によって効果的なものを3-5つくらい選び、論理的に構成しましょう。それによって、真に「わかった」と思っていただけるに違いありません。

この「わかった」とは、学校教育の「わかった」(理解した)と同列の学習です。体得した理解は、必ず次のアクションにつながるはずです。

効果的な映像コンテンツは、見た人の背中を押します。

B2Bビジネスを映像コンテンツは、少々面倒でも好奇心をもって学習する意欲がある人、つまりあなたにとって価値ある顧客になり得る人を、スクリーニングしてくれるアイテムでもあるのです。

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