動画クリエーターエコノミー
- Tomizo Jinno
- 2023年7月31日
- 読了時間: 6分
更新日:3 日前
クリエーターエコノミー(Creator Economy)とは、インターネットやデジタルプラットフォームの発展により、個人や小規模グループが自身のコンテンツやスキルを活用して収益を得る経済活動のことです。具体的には、YouTuber、ブロガー、インフルエンサー、ストリーマー、作家、アーティストなどが、オンラインでファンや視聴者と直接つながり、コンテンツを提供することで収益を上げています。このエコノミーでは、個人の創造力や専門知識が重要な資産となり、従来の産業構造とは異なる新しい収益モデルが形成されています。

動画クリエーターの実情
主要プラットフォーム
YouTube: 日本ではYouTubeが最も人気のあるプラットフォームの一つで、多くのクリエーターがここで活動しています。ジャンルも多岐にわたり、エンターテインメント、教育、ゲーム、ライフスタイル、料理、旅行など様々です。
ニコニコ動画: 日本独自の動画プラットフォームで、アニメ、音楽、ゲーム実況などが特に人気です。
TikTok: 短尺動画のプラットフォームで、若い世代を中心に急速に人気が高まっています。
収益モデル
広告収益: 動画内の広告や、YouTubeパートナープログラムを通じた収益が主要な収入源です。
スポンサーシップ: 企業との提携により、商品やサービスのプロモーションを行うことで収益を得ています。
ファン支援: スーパーチャットやメンバーシップ、Patreonなどの支援プラットフォームを通じて、ファンからの直接支援を受けることができます。
商品販売: オリジナルグッズの販売や、デジタルコンテンツの提供も一般的です。
課題
収益の不安定さ: 動画の視聴回数や広告収入は変動が激しく、安定した収入を得るのが難しい場合があります。
コンテンツの競争: 多くのクリエーターが存在するため、視聴者の注目を集めるための競争が激化しています。
著作権問題: 他者のコンテンツを使用する際の著作権問題や、動画の盗用などが発生することがあります。
成功事例
Hikakin: 日本のトップYouTuberの一人で、エンターテインメントや商品レビューを中心に活動しています。
東海オンエア: コメディやチャレンジ動画で人気を博しているグループです。
はじめしゃちょー: バラエティ豊かなコンテンツで多くのファンを持つクリエーターです。
成長の可能性
多様なコンテンツ: 日本の文化やサブカルチャー(アニメ、マンガ、ゲームなど)に関するコンテンツは国内外で人気があります。
技術の進化: 動画制作の技術が進化することで、より高品質なコンテンツが手軽に制作できるようになっています。
動画クリエーターと映像クリエーターは業界が異なる
前章を読んでお気づきと思いますが、一般に呼ばれる「動画クリエーター」は映像製作者というよりはタレントとして利益を上げています。動画に限らず、近年耳にするようになった「クリエーターエコノミー」の成功者として名を馳せている有名人は、みなクリエーターというよりはタレント(才能)性で抜け出ていると言えるのではないでしょうか。
「動画クリエーターでは食えない」というのは、「タレント」とは言えない大半の人にとっては正しい見方であり、そうした人たちに「ビジネス映像に活路を見出そう!」という言説は、あながち不親切ではありません。たしかに従来からある映像制作プロダクションは、動画クリエーターとは桁違いの金額でビジネスをしています。
しかし、タレントになれないなら映像制作で食べていこう、というのも短絡です。
この2つの業界は仕事の進め方(以前このブログでも書きました)と同時に「見積書」の仕様が大きく違います。

あくまで大雑把にみた分類ですので「うちは違う!」という方はごめんなさい。
❶動画クリエーターに多いタイプ
❷ビジネスライクに仕事を進める動画クリエーターに多いタイプ
❸一般的な映像制作会社に多いタイプ
実は❹というタイプも存在していて、日本映像文化製作者連盟とかJAC(日本アドコンテンツ制作協会)が推奨している見積書の明細は数十ページにもなる詳細なものです。
ここから見てとれるのは、プロ仕様になるにつれて「創作職能」「人工代」「機材代」「経費」等が明確に分類され計上されていることです。
また、あらかじめ掛かる費用を調査、計上して、費用を施主に明示、請求していることです。現代の公正取引委員会の指針に従えば、これは本来当然の手続きではあります。
❷では、明細の金額に創作(クリエイティビティ)がいくらか合算されていますが、❶では人工代ですら機材費と不可分に計上されていることがわかります。
現在の日本の動画クリエーターエコノミーは、付加価値(創作力)をお金に換えていません。映像ビジネスで食べていこうと考えるならば、この付加価値(創作力)なしには不可能です。むしろ自ら付加価値を生み出せないことを認めてさえいます。「自分には映像制作は無理っすから」と。
映像制作会社からみた、そのほかの課題
1. 品質管理
制作の一貫性: プロフェッショナルな映像制作会社は、一貫した高い品質の映像を提供するために、専門のスタッフと厳密な制作プロセスを持っています。これに対し、個人の動画クリエーターは時折、品質が不安定であることがあります。
技術的な知識不足: 映像制作の技術(撮影、照明、編集、音声など)に対する深い理解や経験が不足しているクリエーターもいます。
2. コンテンツの著作権
著作権侵害: 一部の動画クリエーターは、他者のコンテンツを無許可で使用することがあり、著作権侵害のリスクが高いです。これは特に音楽や映像素材で顕著です。
権利管理の複雑さ: 著作権や肖像権の管理が曖昧な場合があり、法的なトラブルに発展することがあります。
3. ビジネスモデルの違い
短期的な視点: 動画クリエーターはしばしば短期的な人気や収益に焦点を当てることがあり、長期的なブランド戦略やコンテンツの持続可能性が欠けることがあります。
収益源の多様化: 収益モデルが広告収益やスポンサーシップに依存しているため、収益の安定性に欠けることがあります。
4. プロフェッショナリズム
ビジネスマナー: 映像制作会社はクライアントとの契約やビジネスマナーを重視しますが、個人の動画クリエーターはその点で経験が不足していることがあります。
信頼性: クリエーターによっては、納期や契約の遵守が徹底されていない場合があります。
5. クリエイティブコントロール
自由度の高さ: 動画クリエーターは自由度が高く、独自のスタイルやコンテンツを追求できる一方で、統一されたブランドイメージや企業のメッセージと一致しないことがあります。
自己表現の優先: 自己表現を優先するあまり、視聴者やクライアントのニーズに十分に応えられない場合があります。
6. 法的・倫理的問題
規制遵守の不足: 法的規制やプラットフォームのガイドラインに違反するリスクがあります。例えば、プライバシーの侵害や不適切なコンテンツの投稿などです。
倫理的問題: 炎上狙いや過激なコンテンツによる一時的な注目を集めることがあり、長期的な信頼性やブランドイメージに悪影響を与えることがあります。
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