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大河ドラマの映像色調整を観てB2B映像制作会社が思うこと

更新日:4 日前

フィルムトーンは暗い!?


「龍馬伝」では、リアリティを追求するあまり、舞台となる地方の知事から「画面が暗い(汚い)」とクレームをつけられたという事件があった。

今放送されている「麒麟がくる」では、なんだかエラくどぎつい色調整をしているようである。



ジェネレーションと画質リテラシー


以前は、フィルム制作の映像画質に慣れていた1970年以前生まれの世代と、1980年以降生まれの、ビデオ画質に慣れた世代が比較的明確に分かれていたように思う。

つまり、1990-2010年頃はテレビ番組のビデオ制作が当たり前(低予算)になった故に、中高年世代は昔のフィルム制作のような画質の映像を見ると、「予算を掛けた上等な映像」という印象を持ったし、若年層は「なんかレトロでかっこいい」みたいな印象を持つ、というのが平均的な画質リテラシーだった。



画質リテラシーは最早変容


ところが、そうした画質リテラシーはジェネレーションによる違いではなく、映像視聴体験のスタイル、量、嗜好性によって、年齢に関係なく「人ぞれぞれ」になってきたように、僕は感じる。

たぶんYouTubeなどでのネット視聴に慣れている人が世代を超えて増えていて、YouTuberたちが作る「なんでもアリ」な画質バリエーションによって、画質がリテラシーを持たなくなってしまったのではないか、と思う。



B2Bビジネス映像は「画質リテラシー」を利用してきた


僕らのB2Bビジネス映像制作では、少し前までは、若年層(10代30歳代)にフィルムトーンの編集をして見せると「なんかカッコいいですね」と言われ大変喜ばれた。ただし、中高年以上の人には「なんか、暗くないですか?」みたいに言われることもあるので、僕(ら?)は、クライアントの担当者や決済責任者の方の年齢に考慮して画質を選んできた。



最近は誰がどう思うかわかなくなった


ところが、最近同じようなことをすると、年配の方が(フィルムトーンを)「白っぽくないですか」と言ったり、若い方が全然喜ばなかったり・・・。

写真用一眼カメラで高解像度ビデオ撮影をして、フィルムトーンで見せれば誰でも喜ぶ時代は、もうそろそろ終わる気配。画質による映像品質価値観は千差万別になってきた(つまり画質リテラシーが消えてなくなった)今、画質の操作で、クライアントを感動させようと考えるのは、ちょっと危ないなあ、と感じ始めている。



ちゃんと綺麗に撮って編集する


プロは「ニュートラルに綺麗に撮る」「そのまま綺麗に編集する」というのが基本だろう。

その上で、企画意図とクライアントの嗜好性によって画質は考えよう。

映像色調整

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