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生成AIと映像づくりのプロトコル

更新日:3月23日

映像制作における「プロトコル」とは


「プロトコル」という言葉は、一般的には情報通信技術や社交、食事のマナーなどにおいて、「基準的なルール」として用いられます。しかし、私は映像制作においても、独自の「プロトコル」が存在すると考えています。

ここで言う「映像の作り方」とは、単に映像を撮影し編集する技術的な側面だけではありません。映像に映る画像そのものの「あり様」や、それらを繋ぎ合わせた時に、一連の映像から視聴者が受け取る「意味」「感情」「感覚」をコントロールするための、いわば「映像の文法」あるいは「映像言語」と言い換えることができるでしょう。


映像づくりのプロトコル



無意識に存在する映像制作のプロトコル


映像制作のプロトコルは、全ての映像制作者が意識的に使用する言葉ではありません。しかし、多くの制作者は、無意識のうちに自分独自のプロトコルに従って映像を制作しているのではないでしょうか。そのプロトコルが当たり前のものとして認識されていれば、意識化することは難しいかもしれません。

言語が世界に数多く存在し、言葉の意味も時代とともに変化するのと同様に、映像の文法も無数に存在し、映像言語は絶えず変化しています。映画が誕生して、まだ130年。映像づくりのプロトコルを体系的に定義して、明文化した書物は今も存在しません。



多様性を持つ映像プロトコル


日本国内に限って考えても、世代や教育環境、生活環境、職業環境、あるいは気質、性格、性差によって、映像プロトコルは多様であり、一定のものが存在しないことは明らかです。

例えば、若者向けの映像では、テンポの速いカット割りや、鮮やかな色彩、流行の音楽などが多用される傾向があります。一方、高齢者向けの映像では、落ち着いたテンポや、聞き取りやすいナレーション、分かりやすい説明などが重視されるでしょう。

また、同じ世代や環境に属する人々であっても、個々の制作者によってプロトコルは異なります。それは、それぞれの制作者が持つ経験や感性、表現したい世界観などが異なるためです。



目的によって選択されるプロトコル


一定の目的を持って企画制作する映像においては、その目的に合わせてプロトコルを選択することが重要です。

よく「トーン&マナー」と言われるデザインやコピーの一貫性も、プロトコルのひとつですが、映像においては、画質そのものや、照明の当て方、色彩調整、カット割りのリズム、音楽の選定、ナレーションの言葉遣いなど、あらゆる要素がプロトコルに関わってきます。

例えば、企業のプロモーション映像であれば、企業のブランドイメージやターゲット層に合わせて、プロトコルを選択する必要があります。高級感を演出したいのであれば、高画質で落ち着いた雰囲気の映像にするでしょうし、親しみやすさをアピールしたいのであれば、明るくポップな映像にするでしょう。



プロトコルを意識することの重要性


私の生業であるビジネス映像制作においては、意識して視聴者に与えたい感情や感覚をコントロールしなくてはなりません。そのためにプロトコルは重要です。映像制作者は絶えず社会にアンテナを張って、その変化と進化を把握し、その方法を身につけておくべき技術です。表現の幅を広げ、より深いレベルで、今の時代に生きる視聴者とコミュニケーションするためには、必須の能力とも言えます。



映像づくりのプロトコルの可能性


テクノロジーの進化や社会の変化に伴い、新たな映像表現や視聴体験が生まれる中で、映像づくりのプロトコルもまた変化し続けていくでしょう。

映像プロトコルはまだ解明されていない分野であり、生成AIの進化がこれを明文化する日がくるかもしれません。しかし、映像づくりのプロトコルを進化させるのは、あくまで人間にしかできない技であることを忘れてはいけません。


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映像制作会社
株式会社SynApps

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