動画・映像制作用語
【アナモルフィックレンズ】
anamorphiclens
「アナモルフィックレンズ」とは、映画撮影で使用される特殊なレンズで、映像を横方向に圧縮してフィルムやセンサーに記録します。上映時に再び横方向に伸張することで、ワイドスクリーン映像を再現します。
撮影時に映像を横方向に圧縮しフィルムに印画し、上映時や編集時に元の比率に伸張することで、ワイドな映像を実現します。
従来一般的だった、映画フィルムのアスペクト比(1.37:1スタンダード)に対して、通常のレンズよりも広い範囲を撮影でき、特に横長の「シネマスコープ」と呼ばれる映像(アスペクト比2.39:1など)を撮影するために開発されました。
独特のフレアやボケ味が特徴で、映画的な雰囲気を強調する効果があるため、シネマティック動画のクリエーターに好まれています。
アナモルフィックレンズは、光学設計が複雑で、製造にも高度な技術が必要だったため、通常のレンズに比べて高価な傾向がありましたが、近年は民生用の写真撮影に使用するアナモルフィックレンズもあり、画像処理技術の進化によって伸張(デススクイーズ)も容易になり、多くの人が手軽にアナモルフィック写真を楽しめるようになりました。
【関連用語】
1. シネマスコープ
アナモルフィックレンズを使用して撮影される、非常に横長の映像(アスペクト比2.39:1など)のことです。
2. デスクイーズ
アナモルフィックレンズで撮影された、横方向に圧縮された映像を、元の比率に伸張する処理のことです。
3. レンズフレア
レンズ内で光が乱反射することで発生する、光の筋やゴーストのことです。アナモルフィックレンズでは、独特のレンズフレアが発生します。
4. ボケ
ピントが合っていない部分がぼやける現象のことです。アナモルフィックレンズでは、独特の楕円形のボケが発生します。
5. アスペクト比
映像の横幅と縦幅の比率のことです。アナモルフィックレンズは、アスペクト比の横方向が大きいワイドスクリーン映像を撮影するために使用されます。
6. 円柱レンズ
アナモルフィックレンズの光学系に組み込まれる特殊なレンズです。映像を特定の方向に圧縮・伸張する役割を果たします。
7. アナモルフォーシス
歪んだ絵や像を特定の条件下で見る時に正常に見えるようにした絵画や映像技術のことです。アナモルフィックレンズの語源となっています。