動画・映像制作用語
【フリッカー】
flicker
「フリッカー」とは、画面のちらつき全般を指しますが、映像技術においては特に照明の明滅が原因で撮影した画面に生じる縞模様のことを指します。
照明の明滅が原因で撮影動画にフリッカーが生じる理由は、主に以下の3つの要素が干渉して発生します。
1. 照明の明滅
蛍光灯やLED照明など、多くの照明は交流電源を使用しており、目には見えませんが常に明滅を繰り返しています。この明滅の周期は、電源周波数(日本の場合は50Hzまたは60Hz)によって決まります。
2. カメラのシャッター速度
カメラのシャッター速度とは、センサーが光を捉える時間のことです。シャッター速度と照明の明滅周期が合わないと、コマごとに明るさが異なり、それがフリッカーとして現れます。特に、ローリングシャッター方式のカメラ(CMOSセンサーを採用しているデジタルカメラやスマートフォン)では、センサーが上から下へ順番に読み取られるため、明滅の影響が縞模様として現れやすくなります。
3. フレームレート
動画のフレームレートとは、1秒間に表示される画像のコマ数のことです。フレームレートと照明の明滅周期が合わない場合も、フリッカーが発生しやすくなります。
具体的な例
例えば、60Hzの電源周波数で明滅する照明の下で、30fpsの動画を撮影する場合、シャッター速度が1/60秒であればフリッカーは発生しにくくなります。しかし、シャッター速度が1/100秒など、明滅周期と合わない場合は、コマごとに明るさが異なり、フリッカーが発生します。
フリッカーを軽減するには
カメラの「フリッカー低減」機能を使う
シャッター速度を電源周波数に合わせる(例:60Hzの場合は1/60秒、1/120秒など)
照明の種類を変える(直流電源を使用する照明など)
編集ソフトでフリッカー低減効果をかける。
【関連用語】
1. シャッター速度
カメラのセンサーが光を捉える時間のことです。短いほど高速な動きを捉え、長いほど光を多く取り込みます。動画撮影では、フレームレートと組み合わせて滑らかな映像を作る上で重要です。
2. フレームレート
1秒間に表示される画像のコマ数のことです。単位はfps(frames per second)。数値が大きいほど滑らかな映像になります。映画は24fps、テレビ放送は30fpsまたは60fpsが一般的です。
3. 電気の周波数
交流電源のプラスとマイナスが1秒間に切り替わる回数のことです。単位はHz(ヘルツ)。日本の東日本では50Hz、西日本では60Hzが使われています。照明の明滅周期に影響します。
4. CMOSセンサー
デジタルカメラやスマートフォンで広く使われるイメージセンサーの一種で、多くの機種では「ローリングシャッター」が採用されいます。低消費電力で高速読み出しが可能ですが、ローリングシャッター現象が発生しやすいという特徴もあります。グローバルシャッター方式ではそれを避けることができますが、高度な技術のためCMOSセンサーカメラでも高額な機種に採用されています。
5. ローリングシャッター現象
CMOSセンサーが画像を上から下へ順番に読み取ることで発生する現象です。高速で動く被写体を撮影すると、画像が歪んでしまうことがあります。