動画・映像制作用語
【レイヤー】
layer
「レイヤー」とは、複数の映像素材や画像、テキストなどを、幾重にも重ねて編集する概念です。それぞれのレイヤーは独立しており、個別に編集や調整を行うことができます。
レイヤーは理論上無数に重ねることができますが、上に重なるレイヤーは「背景」が透明である、あるいは上になるレイヤーの透明度を調整することで、複数の画像を合成して表示することができます。レイヤーは映像編集において、柔軟で高度な編集を可能にするための基本的な概念であり、映像編集ソフトウェアに欠かせない機能です。
可能になること
1. 合成
複数の映像素材を重ね合わせ、背景の上に人物を合成したり、CG映像を実写映像に合成したりすることができます。
2. テロップや図形の挿入
テキストや図形を別のレイヤーに配置することで、映像の上に重ねて表示できます。これにより、映像とテキストを別々に編集でき、柔軟な調整が可能です。
3. エフェクトの適用
特定のレイヤーにのみエフェクトを適用することで、映像の一部だけに効果を加えることができます。例えば、特定の人物だけにぼかし効果をかけたり、色調を調整したりできます。
4. マスク処理
レイヤーにマスクを適用することで、映像の一部を隠したり表示したりできます。これにより、複雑な形状の切り抜きや、映像の一部を透明にするなどの処理が可能です。
5. 調整レイヤー
複数のレイヤーに対して、色調補正やエフェクトなどを一括で適用できる特殊なレイヤーです。これにより、効率的な編集作業が可能になります。
【関連用語】
1. ロトスコープ(Rotoscope)
手作業で映像の一部をマスキングしていく高度な技術です。動く被写体の輪郭に沿って、フレームごとにマスクを作成していく作業を指します。例えば、人物を背景から切り抜いて別の背景に合成したり、特定の部分にエフェクトを適用したりする際に使用されます。近年では、AIを活用した自動トラッキング機能により作業効率が向上していますが、細かな調整や複雑な動きへの対応には依然として手作業が必要です。特に映画やCMの視覚効果(VFX)制作において重要な技術として位置づけられており、高度な技術と時間を要する作業として知られています。
2. アルファチャンネル(Alpha Channel)
画像や映像の透明度情報を保持する追加のチャンネルです。RGBの色情報に加えて、透明度を0-100%で制御することができます。マスクとして使用する場合、白黒のグレースケール画像として表現され、白い部分が不透明、黒い部分が透明として扱われます。中間の灰色は半透明として機能し、滑らかな合成を可能にします。動画編集ソフトウェアでは、アルファチャンネルを利用して複数の映像レイヤーを効果的に合成したり、テキストやグラフィックスの表示を制御したりすることができます。
3. トラックマット(Track Matte)
別のレイヤーの明暗や透明度情報を利用して、映像の表示/非表示を制御する技術です。ルミナンスマット(明暗情報を使用)とアルファマット(透明度情報を使用)の2種類があります。例えば、テキストの形状に沿って映像を表示したり、複雑な形状のトランジション効果を作成したりする際に使用されます。After Effectsなどの映像編集ソフトウェアでは、トラックマットを使用した高度な合成効果を簡単に作成することができ、創造的な映像表現を可能にします。
4. ガベージマット(Garbage Matte)
不要な部分を大まかに除去するためのマスクです。例えば、グリーンスクリーン撮影時に、照明機材や撮影機材が映り込んでいる部分を除去する際に使用されます。通常、単純な形状で大きく範囲を指定し、細かい部分のマスキングは他の技術と組み合わせて行います。作業効率を向上させ、後工程でのキーイング処理を最適化するために重要な役割を果たします。デジタル編集ソフトウェアでは、様々なマスクツールと組み合わせて使用することで、効率的な映像制作が可能になります。
5. フェザーマスク(Feather Mask)
マスクのエッジをぼかして自然な合成を実現する技術です。マスクの境界線にグラデーションを適用することで、急激な切り替わりを防ぎ、より自然な見た目を実現します。フェザーの強さは数値で調整可能で、合成する素材や目的に応じて適切な値を設定します。特に人物の髪の毛など、複雑な輪郭を持つ被写体の合成時に重要です。また、光の回り込みや空気遠近法など、自然な視覚効果を表現する際にも活用されています。